重い病気や障がいのある⼦どもとご家族は、
病気の治療と共に、さまざまな問題や課題を持っています。

重い病気や障がいのある⼦どもと家族は、感染に対する⼤きな不安があり、安⼼して外出することが難しい現状にある。

遠⽅から⼤学病院まで⻑距離を通院する⼦どもも多い。処置や点滴、輸⾎などで⼀⽇がかりのことがあっても、感染リスクが⾼いため、⾃宅から病院への⾏き来のみで家族でひと休みする余裕や場所さえもないことがある。

医療的ケア児は、医療⾏為が壁となり、同年代の⼦ども達との交流、年齢や発達に応じた社会⽣活、学校⽣活を送ることがなかなか難しい状況にある。

思春期以上の⼦どもに関しては、病気や障がいを持ち成⻑していく中で、病気が原因となる悩みや不安があったとしても、なかなか学校の友達や先⽣にも話せない状況にある。

病気で⼦どもを亡くした家族は、周りから「配慮」として、その経験にふれられないようにされ、逆に⾟くなることも多く、なかなか⼤切な⼦どもの思い出を語る機会がない。

年齢や発達に応じた遊びに触れる機会が少なく、特にコロナ禍においては⼦ども同⼠の中で育ちあう、社会で当たり前のように得られる体験が難しくなっている。

病気や障がいについての不安、悩み等を気軽に相談したりゆっくりと話す場が少なく、病院の外来でも時間が限られている中で思うように話せていない状況にある。

 重い病気や障がいとともにある⼦どもとご家族は、孤⽴感、悩み、困難を抱える⼀⽅、あたりまえの⽇常に感謝したり、他⼈の痛みを理解したり、前向きに⽣きようとする強い気持ちを持っています。⼤学病院に病棟保育⼠として勤務をしていたころ、退院を控え、嬉しさのなかにある⻑期⼊院(主に⼩児がん)の⼦どもの家族の「プレイルームが退院してもあったらいいのに。」という⾔葉を幾度となく聞いてきました。そのことは、退院後の感染リスクや再発への不安と共に、病院で共に過ごした⼦ども同⼠、家族同⼠のつながりがなくなることへの不安を物語っています。そのような⼦どもとご家族をはじめ、中⾼⻘年へと成⻑した⼦どもたち、また⼦どもを亡くした家族にも「⽇々」寄り添う場が必要だと切実に感じてきました。

 nichi nichiは、専⾨職の協⼒のもと、感染対策に⼗分配慮しながら、社会参加の機会を提供するコミュニティづくりとそれに伴う拠点を中⼼としたカフェ、雑貨、アートをテーマとした居⼼地の良いコミュニティスペース作りに取り組みます。重い病気や障がいのある家族を⽀援する団体との情報共有をはかり、Webを活⽤したイベントを共催、また県内外で活躍するアーティストや作品との交流や出会い、⽇常の遊びをきっかけとして、重い病気や障がいのある⼦どもとつながるコミュニティが広がり、さらに、彼らが主体的に関わり、情報発信することで豊かな体験や⼈間関係の構築の場として当事者ならではの視点や良さが活かせるよう、ゆるやかに変化し持続可能な共⽣社会をつくりだす場にしていくことを⽬指しています。

 いつでも集うことのできる拠点作りを⽬指していますが、初年度はレンタルスペースでのイベント、オンライン、Webショップを中⼼に活動し、2年⽬以降からは熊本市内の空き家を改装したコミュニティカフェを拠点に、重い病気や障がいのある⼦どもや家族、⼦どもを亡くした家族が出会い交流できる場、また離れていても同じ境遇の⼦どもや家族とつながれるよう、他団体と連携をとりながら情報共有・発信、オンラインイベントなども⾏っていく予定です。また、熊本を中⼼に県内外のアーティストをはじめ様々な⼈が様々な形でつながれる場となることを⽬指しています。

 nichi nichiが、⽇々あたたかくいきいきとした場に育っていくよう、皆様のご協⼒・ご⽀援をお願い申し上げます。

[代表 ⽑利和⼦]